屋上斜面緑化工事


        ここで紹介するのは世田谷のコーポラティブハウスで、常緑キリンソウを使っ
        た「屋上斜面緑化工事」の様子です。真夏の炎天下の作業でしたが、広さ約40
        平米の斜面に植えられた常緑キリンソウはすべて無事に夏を越しました。



   常緑キリンソウで屋上を緑化する




  常緑キリンソウについて

常緑のキリンソウは、日本在来のキリンソウ(冬期は落葉する)を常緑に改良したものです。
キリンソウは日本各地の山地や海岸の乾いた岩の上などに自生する植物なので、 乾燥、暑さ、多湿、寒さ、潮害、日蔭といった環境リスクにとても強い性質を持っています。
土壌を大量に必要とせず、天然雨水で生育可能なので灌水器の設置も不要です。 夏場の雨不足の時に水やりをする程度のメンテナンスなので、屋上緑化には最適といえるでしょう。






  FTMバック
  <常緑キリンソウ専用土壌入りの袋>

キリンソウのポットはこのチャックを開けて入れていきます。
チャックを閉めることにより雑草種の混入と乾燥を防ぐことができます。 袋は丈夫な防草シートのような不織布でできているので雨水は浸透し、通気性もあります。 土壌はこの袋の中だけです。






  下地をつくり、固定する

今回キリンソウで緑化する部分は約30度の傾斜面なので、FTM袋を固定させるために下地を作ります。 コンクリートスラブに1mピッチでアングルとワイヤーメッシュを一緒にアンカーボルトで固定していきます。  

FTM袋をそのワイヤーメッシュに結束バンドなどで止めていきます。






  植えこむ

袋を取り付けた後、ポットを入れていきます。 1mのFTM袋に株を崩さぬように5株ずつ植えました。 地道な作業の連続です。






  完成!

真夏の作業だったので植物は少しぐったり気味でしたが、1株も枯れず夏を乗り切りました。 根付けば水やりは基本的に雨や夜露の水分だけで必要ないということです。 管理人の方にはこの夏の間だけできれば毎日あげてほしいんですが…とお伝えしました。






  一年後

翌年の生育状況です。
屋上で直射を浴びてなおかつ斜面で乾きやすいという条件でこの生育は驚きです。株はすでに隣同士で絡み始めていました。